胡説八道さんのところで
今更 AT と MT の燃費の違いについて考える という記事が書かれていて, 今さらながら :-) 思い出しました. それはアクセラの 10・15 モード燃費.
以下にオフィシャルサイトから該当部分を引用しますが, 2.3L の L3-VE 型エンジン搭載車では 4AT で 11.6km/L, 5MT で 12.2km/L です. 何とその差わずか 0.6km/L, 割合にして 5% ほどに過ぎません. さらに, 1.5L の ZY-VE 型エンジンに至っては, なんと 3.5% ほどの差にまで縮まります.
例えば, 10 年ほど前の
1994 年型マツダ カペラはどうだったか調べると,
2.0L エンジン車で 4AT が 10.6km/L, 5MT は 12.8km/L. 18% 程度の差が付いています. 私が乗っている DEMIO (1997 年型) 1.5L 車も, 4AT が 14.8km/L, 5MT だと 17.2km/L で 14% もの差がありました.
この差は恐らくそのほとんどが「技術の進歩」だと思います. 昔はこのデータが示すように, "マニュアル車は燃費がいい" のが常識だった訳ですが, わずか 5% (1.5L は 3.5%) 程度であれば,「並の技術の人が運転する MT 車より, ヘタな人が運転する AT 車のほうが燃費がいい」なんてことも十分に考えられます.
私は運転の楽しさ, 下り坂の楽さ (?), そして燃費のよさを考慮して MT 車にばかり乗っていますが (加えて, AT 車は体力・気力・腕力 (?) が衰えてからでも乗れるから, 今のうちに MT に乗っておこうという気持ちもあります), 3 つ目の理由はもはや理由ではなくなっているのかも知れません.
ちなみに, 胡説八道さんの記事を受けて,「お友達」の
カイさんも本日アップしています が, おふたりの記事に出て来ない, 燃費差が生じる理由の推測をひとつ. それは「エンジンブレーキの効き方」.
ご存じのように, エンジンブレーキは MT のほうがよく効きます 上述のように, 私が MT にこだわるのは, 私が好きなワインディングでの下り坂の運転が圧倒的に楽なこと (登りもですがね). 適切なギアを選択し, 下りであれば半クラッチも使えば, ブレーキを踏むことなく思ったスピードに的確にコントロール出来ます.
また, 案外知られていないのは, エンジンブレーキ作動時とニュートラル時ではエンブレ時のほうが燃費がいいということ. これは, ニュートラルはガソリンを消費することでエンジンを回していますが, エンブレ時はタイヤから伝わる力でエンジンを回す状態となり, フューエルカットが働くのでガソリンは消費しなくなる訳です.
MT 車を運転する場合, エンジンブレーキが上記のように効果的に使えますから, たいていは AT 車のときよりエンジンブレーキを多用すると思います. 一方, ほとんどの場合フットブレーキに頼らざるを得ない AT 車では, その分燃費が悪くなるということですね.
また, "トルコンが滑る" ことはカイさんも書いておられますが, エンジンからの駆動力が減少するということは, 駆動輪から伝わる力も減少するということですよね. なので, より MT 車のほうがエンブレが効く, すなわちよりフューエルカットされることが多くなり燃費もよくなる, ということなんだと理解しています.
(間違いがありましたらぜひご指摘お願いします)
しかし, こうした構造上の理由があっても, 制御プログラムの進化等でのスムースなギアチェンジの実現により, MT 車との燃費差は 5% とか 3.5% とかに縮まっているのですね. これであれば, よほどの好き者でない限り MT 車を選ぶ理由はありません. 現在売られている新車のうち 90% 以上が AT であるのも頷ける事実です.